院長ご挨拶

このたび、さいたま市民医療センターの院長に就任いたしました塩谷 猛(しおや たけし)です。百村伸一 前院長から引き継ぎました。私はこのさいたま市で生まれ、本町幼稚園、本町小学校を経て鈴谷小学校を卒業しました。育てて頂いた地元の皆様に医療で恩返しができることは嬉しい限りです。当センターは平成21年3月の開院以来、地域医療支援病院として市民の皆様に寄り添いながら医療を提供し続けてまいりました。私自身も開院以来この病院に勤務し、長年にわたり地域医療に携わってまいりました。これまでの経験を活かし、当センターのさらなる発展と市民の皆様へのより良い医療の提供に尽力してまいります。
1.地域に根ざした医療
当センターは、かかりつけ医の先生方との連携を大切にし、紹介制を基本とした診療体制を整えております。市民の皆様には、まずかかりつけ医を受診し、必要に応じて当センターをご利用いただくことで、適切な診療の提供が可能となります。今後も地域の診療所・病院との連携を一層深め、患者さんにとって最適な医療環境を整えてまいります。
2.救急医療の充実
当センターは、さいたま市の救急医療において重要な役割を担っております。近年、救急搬送の件数は増加傾向にあり、特に高齢者の救急受診が増えています。今後も救急医療体制の強化に努め、市民の皆様に迅速かつ適切な医療を提供できるよう、職員一丸となって取り組んでまいります。3. 内科診療の充実
当センターの内科は高い専門性を有していますが、すべての医師が総合医として幅広い疾患に対応し、特に呼吸器、消化器、循環器、脳神経、血液、リウマチ疾患の診療を強化しています。また高齢化に伴い、複数の疾患を持つ患者さんが増えているため、多職種と連携しながら全人的な診療を提供してまいります。また救急の重要な役割も担い、市内の成人救急搬送の約1割を受け入れています。4. 外科系診療の強化
当センターの外科系診療には、外科、整形外科、脳神経外科、泌尿器科、耳鼻咽喉科、麻酔科があり、それぞれの専門性を活かしながらの治療と予定手術、そして緊急手術にも対応できる体制を整えています。特に消化器外科では24時間365日、緊急手術が可能な体制を維持し、迅速かつ的確な治療を提供しています。
各診療科が連携しながら、患者さんにとって最適な治療を選択できるよう努めており、安全で質の高い医療を提供することを目指しています。
5. 小児医療の充実
当センターは小児救急の重要な役割も担っており、市内の小児救急搬送の約4割を受け入れています。特に食物アレルギーに関する専門的な診療にも力を入れており、今後も小児医療のさらなる充実に努めてまいります。6.がん診療と緩和ケアの充実
がん診療指定病院として、手術・化学療法・緩和ケアを含めた包括的ながん治療を提供しています。患者さんの生活の質を重視し、治療後の支援にも注力してまいります。
7.リハビリテーションの強化
急性期から回復期まで一貫したリハビリテーションの提供が求められています。当センターでは、回復期リハビリ病棟を活用し、患者さんの早期の社会復帰を支援してまいります。また、地域リハビリテーションの推進にも取り組み、在宅復帰後のフォローにも力を入れてまいります。
8.災害医療への貢献
当センターは災害拠点病院としての役割も担っており、いざという時には地域医療の要として機能する責務があります。DMAT(災害派遣医療チーム)も編成しており、防災・減災の取り組みを進め、災害時の医療提供体制を強化してまいります。
さいたま市民医療センターは、これからも地域の皆様に信頼される病院として、安心・安全な医療を提供し続けることをお約束いたします。今後ともご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。
令和7年4月
さいたま市民医療センター 院長 塩谷 猛